2009.02.04

この世界にはない音楽

某社向けの企画書がとりあえず仕上がり、某社の原稿は修正方針が固まって……という事で新宿のシアターモリエールへ芝居観にいってきました。

元TEAM発砲B・ZINの武藤晃子がプロデュースする「むーとぴあ」の第一回公演『この世界にはない音楽』。もちろん、主演も彼女です。

悪魔が人間から魂を奪うためには、死ぬ前に願いをひとつ叶えなければならない。ところが、あまりに誠実に熱心に願いを実現させてしまうために、結果的にターゲットが「生きる意欲」を取り戻して結局任務を果たしそびれてしまう落ちこぼれが主人公。
上司から「今夜のうちに魂を取らないと、最低の閑職である資料室送り」と言われた彼女、運良く見つけた自殺志願者はかつて売れっ子だった作曲家。
ところが、悪魔は人間が生み出す音楽というものが大好きで……。

1時間半でキャストは5人だけというコンパクトな芝居ですが、その分キレがいい。
テンポのいいギャグとしっとりしたセンチメンタリズムが見事に調和しています。
武藤は「けたたましくて、一所懸命で、ウブで」というチャーミングな役どころ。発砲時代はどうしても脇で飛び道具的な起用が多く、それはそれで素晴らしい持ち味だったのですけど、今回は見事に「ドジっ娘美少女キャラ」です!
いや、本当にいいモン観ました。お勧めです。

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2009.01.23

観劇のハシゴ

仕事は絶賛難航中ですが、昨日は今年最初の観劇として二本をハシゴしてきました。

まず、D-PRODUCEの『アヤカシ奇譚』。
たまたま二、三日前にきだつよしのブログをチェックして知った舞台です。考えてみると、去年観た映画村の電王も東京ドームのゴーオンジャーも「作・演出」だったから、純粋な「演出家きだつよし」の仕事を鑑賞するのはこれが初めてかも。
キャストのおかげか、平日マチネーだというのに若い女性客でほぼ席が埋まっていました。
ストーリーや見せ方などは悪く言えば凡庸、よく言えばオーソドックスで、捻った面白さはないものの役者陣の魅力を引き出すという事を考えると、その真っ直ぐさはむしろ適切なチョイスでしょう。
シアターサンモールがあまり広くないせいもあり、殺陣が平面的でやや単調だったのは残念かな?

もう一本は前売りで買っていたファントマの『ジョリーロジャー』。
こっちは以前に観たものの新キャストによる再演です。
目当ては元発砲の平野薫人と『シャンゼリオン』『龍騎』でおなじみの荻野崇だったのですが、実際に観ると主演の上杉祥三のベテランらしい魅力に撃たれました。
以前に観たバージョンでの浅野シルバーの気さくさとタフネス、美津乃シルバーの凜とした美しさもよかったのですが、上杉シルバーは設定に相応しい「過去のある自由人としての、カジュアルな風格」があります。例えるのなら、履き古したヴィンテージジーンズのような味わいとでもいいましょうか

どちらも男性中心(というか『アヤカシ奇譚』は全員男性)の芝居でしたが、さすがに若く同世代の役者、笑いも取れるイケメンという似たタイプ中心の『アヤカシ』は、二枚目三枚目巨漢小柄若者老獪直球曲者といろんな味わいが揃った『ジョリーロジャー』と比べると見劣りしてしまいますが、若さに期待と好感は持てましたね。

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2008.11.08

熱風ジャワ五郎

『サヴァイヴド ファイブ』の作業も何とかひと段落したので……というより、事前にチケットを取ってたんで、何とかこの日までには片付けねばならなかったのです。

久々の観劇で、行ってきました。ひげ太夫は『熱風ジャワ五郎』。

この劇団、はっきりいっちゃうとおおよその筋立ては毎回ほとんど同じなのですけど、とにかく「肉体による表現」そのものが魅力的。まさしく生の舞台でしか味わえない驚きと喜びがあります。
今回も魅惑的でめくるめく大活劇と、圧倒的なハッピーエンド。
鈴木のぞみ演じる王子のアホでかっこいい二枚目ぶり、斉藤ゆきのビョーラ坊ちゃんが魅せる少年らしい意地っ張りでひねたところと純粋さの共存がよかったですね。

組体操も、見せ場の四段重ねは言うまでもないですが、九人がかり三段重ねで90度方向転換あたりはかなりの迫力でした。

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2008.06.13

雷神ウツボ

週明けまでにゲラチェック、来週一杯までにファミ通のプロットとGAの後書きを何とかしなければならないのに芝居に行ってきました。いえね、前からチケット取ってたもので。

おなじみ、ひげ太夫の『雷神ウツボ』です。
今回も痛快なストーリー(今回はいつもよりラブロマンスwが多めだったかな?)と大胆なパフォーマンス。
前回に引き続いての4段重ねの迫力は当然としても、今回インパクトあったのは「ひとりの肩の上にもうひとりが直立したタワー」がふたつ追いかけあう動きですね。

さて、このエネルギーで仕事を進めねば!

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2008.04.23

リバイバルメモリー

エンターブレインで『キャラふる♪』のゲラチェック、新担当さんとの顔合わせ、今後の予定の打ち合わせなどの後、また芝居を観てきました。

カプセル兵団の『リバイバルメモリー』、かなりの当たりでした。
表現をするという行為にはある種の「呪い」が付きまとっています。
何か独自性を出す事に成功すると、それ自体がひとつの「縛り」になり、どれほど斬新で特異なものであっても繰り返すうちに「いつもの特異性」が期待されるようになってしまうのです。
正直に言うと、ここしばらくのカプセルの芝居からはその「呪い」を感じざるを得ませんでした。
ユニークな表現がひとつの「枷」になり、パターンを狭めているのではないか、と。

しかし、今回は違います。
カプセルには珍しく、普通に持ち道具や椅子を使い、衣裳も(ほとんどは)普通のスーツ。
記憶と自我、存在、アイデンティティなどをテーマにした不条理劇ではありますが、いたずらに観念や言葉を弄ぶ事には陥らず、ちゃんとドライブ感のある物語の中に落とし込んでいます。
だからといって今までのカプセル兵団の持ち味を捨ててしまったのではなく、ガンダムネタや80年代ジャンプ漫画ネタ、あるいはスピード感溢れる転換などを「アピールしなければならない個性」ではなく「ひとつの手法」として使いこなした事によってメリハリの利いた舞台になっていました。
ホラーっぽいオチもよかったですね。

後はこれで、もうちょっと精度が高ければなぁ……。
セリフの噛みがやや気になるんですよね。

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2008.04.19

イエス斬り捨て

島国日本演劇祭の一本、友人と一緒に行ってきました。

内容はファントマでも好きな一本『幕末刀狂伝』の改作ですが、今回から従来の「劇団」スタイルから大きく体制を改めているため、期待と不安が半々でした。
何しろ中心となっていた主演俳優主演女優が両方抜けているのですし。

実際に観た観想としては充分満足できるものでした。
新しいキャストも地力があり、もともとの脚本がよく出来ているお陰もあってキャラがぶれたりせず、なおかつちゃんと独自の個性が出ていました。
浅野以蔵が粗野だとすれば、保村以蔵は素朴。美津乃武市がエリートの怜悧さを持つのに対し、盛井武市は野心家としての底知れぬ不気味さが漂っています。

話運びも『幕末~』で多少もたついていた部分がすっきりテンポアップし、猫ひろし&きんた・ミーノという飛び道具もきちんと飛び道具として活用しきっていました。
個人的には「♪どこから来たのかご苦労さんね、タ~イセィホーカーン」というしょーもないギャグが妙にツボに入ってしまいましたわ。

ただ「テーマ・宗教」という部分がちょっと取ってつけた感じになってるのは残念でしたかね?

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2008.04.11

NEN,GOO

久々の観劇です。

「島国日本演劇祭」と題して4劇団の公演がセットになっている中の一本。
新感覚チャンバラコメディミュージカルというアオリの通り、非常に盛りだくさんで賑やかなのは楽しかったのですけど、ちょっとホンが弱かったですかね?
主人公らしい主人公が不在で、何人かの中心人物のエピソードがバラバラで有機的に絡まない。殺陣そのものはいいのだけれど、いかにも「殺陣のための殺陣」でストーリーの中で意味あるものになっていない。クライマックスの結論がそれまでのエピソードから必然的に導かれたものではなく「あらかじめわかってる正論」でしかない。
何というか、全体的にぶつ切り感が気になりました。

まあ、個人的には武藤晃子と田中精のいい芝居が堪能できたので、とりあえず元は取れたってあたりですかね?

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2008.02.10

きだ版ライダー絵巻 激突!電王VS信長(1)

※ここからの一連のエントリーは読む方の便宜を考え、逆順にしてあります。(1)~(5)のナンバー通りに読んでください。

さて、お目当てのイベント。
もちろんメインのお客さんは親子連れですが、大きなビデオカメラを構えている人あり、各バージョンの良太郎コスプレをした女性ファンの一団あり。

他のヒーローショーなどを見ていないので比較はできないのですが、映像の使い方など、しっかり「きだ芝居」でした。しかも、映画村という条件を活かし、主役の電王を立てながら客演ライダーへのリスペクトに溢れた素晴らしい脚本!
以下、内容の紹介を(セリフなど細部は不正確です。記憶頼りなもので)。

まずは冒頭。司会のおねーさんの定番「じゃあみんなで大きな声で電王を呼ぼうね!」
そしてスクリーンに映し出される大きな赤い目。しかし、現れたのはショーオリジナルのイマジン(顔はちょっとソードフォーム似)。

おねーさんに「望みを言え」と迫るも、彼女が口にしたのは「温泉に行きたい」とか「チョコが欲しい」(回によって違ってました)というもの。
望みのささやかさにイマジンは不満。
「歴史を変え、世界を変えるほどの大きな望み! それを叶えてやった時に俺は全てを支配する絶対の王となるのだ!」
「王はオレだぁーっ!」
ソードフォーム登場!
何ですか、そのクラウザーさんな現れ方は! この「元気でバカなお行儀の悪さ」がモモですよ!
「オレを無視して王とかほざいてんじゃねえ!」
デンガッシャーを組み立て(この見せ方がまた上手い)イマジンとのバトルが始まるも、相手は強敵。苦戦する電王。
『あらら。先輩、勢いだけじゃ駄目だってば。ここは知性派の僕に任せてみない?』
『ねーねー、ボクにやらせてよー。いいでしょ? 答は訊いてないけど』
ウラタロスとリュウタロスはセリフ&照明効果だけで表現。
「だーっ! 亀公もハナタレ小僧も引っ込んでろ! 今はオレが戦ってんだよ!」
己を無視して内輪もめを始める電王の態度を逃げ腰と採ったイマジンの「泣き言はやめろ」という一言にあいつが反応。
『泣き言……泣き……泣けるでぇ!』
早変わりで、ソードフォームからアックスフォームへ。そしてワイヤーを駆使して高々と跳躍し「ダイナミックチョップ」!
もちろんちゃんと先に言います。
しかしイマジンは素手で斧を受け止め、逆に電王を弾き飛ばす。さっきのワイヤーをもう一度利用した派手な吹っ飛びです。
再びソードフォームに戻るものの、イマジンは既に電王を相手にする気は失せています。
『時の扉』を開き、自らに見合う大きな野望の持ち主を探しに行こうとするイマジンに飛びつく電王。
「止せ! 俺以外がこの時の扉をくぐるとどうなるかわからんぞ!」
良太郎(声だけ)も『駄目だよ、モモタロス。僕たちが無理したら大変な事になっちゃうよ!』と訴えるも、もちろん電王(=モモタロス)は聞く耳持たず。
考えてみると、ひとりで掛け合いができる上に三の線も務まる電王というのはショー向きのライダーかも。

ふたりはもみ合ったまま『時の扉』の中へ……。
『時の列車デンライナー……』
ここでいつものナレーション&主題歌がかかり、スクリーンにはお馴染みのOPが。
うん、こういう「テレビと同じ」気分を高めてくれる演出は良し。
そして『きだ版ライダー絵巻 仮面ライダー電王 激突!電王VS信長』というタイトル!
今度は「いつもと違う」気分の方を盛り上げてくれます。
(続く)

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きだ版ライダー絵巻 激突!電王VS信長(2)

ひとり倒れていた電王が目を覚ますと、さっきまでとは違う風景(もちろん演技とセリフ、効果音などだけで表現。セットを転換したわけじゃありません)。
しかも良太郎がウラタロスたちの意識を感じ取れない。『時の扉』で別の時代に飛ばされた事でデンライナーと連絡がつかなくなってしまったのです!
要するにこれで、以後フォームチェンジをしない理由付けをしてるわけですね。

戸惑う電王の前に、謎の忍者が四人登場!
「やっと見つけたぞ、信長! 我が殿の命により、貴様を捕らえる!」
激しいアクションが繰り広げられるも、しょせんただの忍者じゃ電王の敵じゃありません(考えてみりゃ劇場版ではハナにやられてたな、忍者)。
「さっきから信長信長って! 言っとくが俺はクライマックスだぜ!」
あっさり忍者を取り押さえる電王の前に、彼らの主である明智光秀が現れます。
彼は自らが仕える織田信長が『赤い目の鬼』と話していたのを目撃、以来主君の様子がおかしいのを気にかけていたのです。
詫びる光秀にも「おいおい。いきなり襲い掛かってきて、ごめんなさいだけで済ませる気か?」と不満の電王だが、忍者が人間椅子になったり肩をもんだりすると「へへっ、わかってるじゃねえか」とすっかりご満悦。
こういうところも美味しいですな、モモは。

『ねえ、モモタロス。赤い目の鬼って……』
「ああ、間違いねぇ。あのイマジンだ」
「のう、くらいまっくすとやら?」
「クライマックスじゃねえ! オレは電王だ」
「しかし先ほどお主、『オレはくらいまっくすだ』と申していたではないか?」
先刻のアクションを真似ながら尋ねる光秀。
「クライマックスってのは、盛り上がるところ。オレ様の見せ場って事だ!」
「なるほど。さて、聞けばあの鬼とはお主らも因縁浅からぬ様子。我らに手を貸してくれぬか?」
「仕方ねぇ。デンライナーとはぐれちまった以上、元の時代に帰るにはあの野郎をふんづかまえるしかないからな」

「元の時代に帰る事ができるのか?」
ふたりの会話に乱入したのは、黒いマントとフードで姿を隠したふたり組。
その目は爛々と赤く輝き……。
かのイマジンかと思って襲い掛かる電王と光秀だが、ふたりは攻撃を受け流しつつ「待て、俺たちは敵ではない」とマントを脱ぎ放つ。
露になったその姿こそ、仮面ライダー1号と2号!
もちろん名乗りはそれぞれの変身ポーズ。BGMは『ライダーアクション』!
(このダブルライダーの声がよかったですね。特に1号はかなり若い頃の藤岡弘に似た印象で。演じていたのは誰なんでしょうか?)

「仮面ライダーだぁ?」
『モモタロス、ボク、聞いた事があるよ。仮面ライダーは正義を守る伝説の戦士なんだ』

(つづく)

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きだ版ライダー絵巻 激突!電王VS信長(3)

聞けばダブルライダーは自分たちの時代で戦っていたところ、突然歪んだ空に吸いこまれて戦国時代へ飛ばされてきたのだとか。
「全ての原因はそのイマジンとかいう怪物らしい」と共闘を申し出るダブルライダーに、光秀は「それは心強い」と喜びます。
一方「力を合わせて戦おう」と1号が差し出した右手に、そっぽを向く電王。
「あいつはオレの獲物だぜ。何でオレがおまえらに力貸さなきゃいけねえんだ?」
このあたりの品行方正でおとなの人徳を持つ昭和ライダーと、わがままで意地っ張りな電王=モモの対比がいいですねぇ。
『駄目だよ、モモタロス。この人たちがこの時代に来ちゃったのは、ボクたちのせいかも知れないんだよ?』
イマジンが開けた扉に自分達が強引に割りこんだのが時空混乱の原因ではないかと推測した良太郎の説得にも、モモタロスはなかなか納得しません。

そこへ信長が放ったドクロ忍軍が襲来!
ちなみに忍軍、ドクロの面と毛皮の袖なし、さらにマリオネットめいた非人間的な仕草で印象を違えていますがキャストは先刻の光秀の部下と同じ。些細な工夫で出演者を増やさずに登場人物を増やしているわけですな。
『ほら、モモタロスもいつまでも変な意地張ってないで』と、良太郎の更なる説得を受けてモモタロスもようやく決心。
「仕方ねぇな。光秀、行くぜ! 敵は本能寺にありだぁっ!」
「それ、わしの台詞!」

信長討伐に向かったふたりへの追撃を阻むため、ダブルライダーはドクロ忍軍と戦い続けます。
ここでの殺陣は1号は軽快なジャンプでキックを多用、2号はパワフルなパンチと投げ技主体と、限定以上にわかりやすくイメージを膨らませた形で「技の1号、力の2号」をアピール。
決め技も「ライダー反転キック」と「ライダー返し」ですよ!
しかし、倒しても倒してもドクロ忍軍は立ち上がってきます。
「こいつらは人間じゃない! 悪霊のエネルギーで動く骸骨人形なんだ!」
「ならば悪霊のエネルギーを断ち切るしかない!」
敵から奪った刀で華麗な太刀さばきを見せるダブルライダー。
このチャンバラは映画村ならではの見せ場でしょう。
そして、仮面ライダーが敵から奪った武器で切り結ぶのは完全に正しいのです!
(それにしても「悪霊のエネルギーという事は、1号と2号はバダンと戦っている最中だったのでしょうか? イマジンの能力と時空魔方陣が干渉したとか?)
ドクロ忍軍を下したダブルライダーもふたりを追って本能寺へ。

(つづく)

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きだ版ライダー絵巻 激突!電王VS信長(4)

さて、先行した光秀と電王が到着するも、本能寺には誰の姿もありません。
「ちょっくら奥を見てくらあ」と電王が姿を消すと、入れ替わるように信長が登場。
「殿、魔物と手をお切り下さい! そのようなやり方で天下を統一したとして、万民を幸せにする事など叶いませぬ!」
「手を切らぬ、と言えばどうする?」
「その時は……殿と言えども討たねばなりません!」
「言うたな、光秀! 討てるのならば討ってみよ!」
信長の槍裁きは迫力満点。光秀も果敢に切りかかるも圧倒されます。
そこへ電王乱入! しかし信長はデンガッシャーを素手で、しかも片手で刃を掴んで受け止める!
生身の人間がこれをやるというインパクトが信長の強さを強調します。
「てめぇ! イマジンとどんな契約をしやがった?」
「……契約ならば既に完了している」
声がダブり、信長が苦しみながらイマジンへ変化(ぶっちゃけ、舞台上では交代ですけどね)。
「この男は天下統一の力を得るために魔の力と一体になる事を望んだ。信長の体と命、野望を食い尽くした俺は既にイマジンではない。我こそは、第六天魔王!」
パワーアップしたイマジン、否、第六天魔王の力には電王も叶いません。
再び『時の扉』を開く第六天魔王。
「またどっかに逃げる気かよ!」
「違うな。これは貴様を放りこむためだ。永遠に時の裂け目でさまようがいい!」
『時の扉』に吸いこまれ、消える電王。ダブルライダーが駆けつけるも間一髪間に合いません。
巨大化したイマジンの触手に絡めとられ、絶対絶命の1号2号!
「馬鹿な! 巨大化する能力まであるのか?」
このあたりも『ライダー』では珍しく敵の巨大化が基本設定として盛りこまれている『電王』と、巨大な敵とは原則戦わない昭和ライダーを踏まえていて、ファンのツボをついてくれます。

ちなみに巨大なイマジンはスクリーンに投影された昆虫めいた造形物のアップと、造形物の触手で表現されています。ダブルライダーはワイヤーで宙吊り。
「電王がいなければ駄目なのか……」と弱音を吐きかける2号ライダー。
「電王が……電王がいれば……。皆の力を貸してくれ! 一緒に電王を呼ぶのだ!」と会場の子供たちに呼びかける光秀。
「無駄だ。奴は時空の裂け目に落ちた。もはや二度と戻ってはこない!」
勝ち誇る第六天魔王。
『電王ーっ!』
子供たちが叫ぶ!
(ちなみに、さすがにあたしゃ黙ってましたが)
「もっと大きな声で!」
『電王ーーーっ!』

「オレならここだぁっ! 改めて、オレ、参上っ!」
スポットライトが指し示したキャットウォーク上に電王ソードフォームの雄姿が!

(つづく)

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2008.01.26

しがらみの向こうに

1月26日からは三週連続で舞台を観るという、微妙にハードなスケジュールです。

今年最初の観劇は下北沢でRISU PRODUCEの「しがらみの向こうに」という芝居。
うーん……ちょっと辛い点をつけざるを得ませんかね?
役者陣はみんな存在感と愛嬌があって魅力的なのですけど、脚本が弱いのです。
振り込め詐欺という手口を「発明」したふたりによって新聞の三行広告で集められた男たちの群像劇なのですけど、キャラの動きと題材が噛みあってない。

いろんな「しがらみ」を抱えている男たちであればこそ、振り込め詐欺という「しがらみ」「絆」を利用する犯罪を実行するに当たっていろんな心の動きがあると思うのですけど……。
ラストもちょっと力技で強引に落とした印象が拭えませんし。
それと、登場人物の名前が不必要に被りまくってるんですよね。西山、西田、西谷と出てきて、特にネーミングに意味はなし。正直、ちょっと混乱しました。

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2007.12.10

十傑峡

難航していた某社の原稿を昼過ぎに何とか仕上げて(と、言ってもまだ第一稿レベルですが)、今年最後の観劇に行ってきました。
最近お気に入りの「ひげ太夫」は『十傑峡』です。前売りで早めに申しこんだお陰か、最前列中央という素晴らしい席で堪能できました。

お話は毎度お馴染み、力強い大ハッピーエンドのアジアンファンタジー。そしてあらゆる人物・動物・植物・建造物、自然現象超常現象まで人間の身体で表現してしまう、肉体と肉声のワンダーランドです。しかも今回はそこにゲストとしていきなり「スーツにネクタイ、アフロヘアのトロンボーン奏者」が現れたもんだから、そのショックと来たら。

「ひげ太夫」の凄いところは、この劇団ならではの強烈な持ち味を有しながら、同時に「いつもの表現」に留まらず毎回毎回新しい大技を繰り出すところですね。
前回は三段重ね×2で、今回は4段重ねの組体操! 文字通り仰ぎ見た迫力、偉容!
いいものを見て、たっぷりエネルギーを補給しました。
年内に片付けなければならない仕事はまだまだありますし、さて、もう私ももうひと頑張り。

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2007.11.23

GHOST SEED

久々のカプセル兵団です。
率直な事を言うと、どうもここしばらくのカプセルは「独特の表現」が逆にパターンとして芝居を束縛しているというか、やや精彩を欠く印象あったのですが、今回は今までとは脚本が違うという事で新しい一面を見せてくれるのを期待して笹塚まで行ってきました。

衣裳や装置も具象的で、アクションはあってもバトルはほとんどない展開など、ファンタスティックで柔らかい世界観などは確かに今までとは違う味を感じました。特に人形を演じた三人は役どころの美味しさとも相まって魅力的でしたね。

ただ、全体としてエピソードやキャラクターが多すぎて、未整理で細切れなところがあったのが残念です。今回みたいな物語なら、オタク的なくすぐり(ガンダムネタやライダーネタ)ももう少し押さえ気味にして、メインの筋を掘り下げた方がよかったと思います。
あと、役者でひとり台詞が聞き取りづらく、よく噛む人がいたのはマイナスポイントですね。

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2007.10.14

ネバーランド A go go

振り返ってみると、しばらく芝居に行ってません。

で、思い立って行ってきました、新宿スペース107の『ネバーランド A go go』。作・演出は以前楽しんだ『ジッパー!』シリーズや『BIRD』、『Quick Drow』の浅沼晋太郎。最近は声優としても活躍中の人です。
チラシやサイトに「心臓の弱い方は~」というような文句があり「こけおどしだったら嫌だなぁ……」とか思っていたのですけれど、これが実に良質のサスペンス&ホラー!

いわゆる「閉ざされた山荘モノ」ですが、序盤のコミカルで漫才めいた会話の多用から、緊張と弛緩を程よく織り交ぜ、最終的にはかなり高いテンションで打ちのめされました。
最後の挨拶で言っていた通り、ネタバレしてからもう一度見て、各人の細かい仕草や台詞の意味を読み直したい芝居です。明日か明後日、昼の時間が取れるかなぁ……。

あ、役者陣では「青臭い部分を持つ、苦悩するオトナ」を魅せてくれた堀川りょう、それと二役がどっちもキュートな猪狩敦子がよかったですね。

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2007.06.27

碧玉路

いろんな仕事が滞っているのに、行ってきちゃいました。毎度おなじみひげ太夫の見事な出し物。

ここの舞台は、細かいストーリーとかを説明しても無意味。とにかく、人間の肉体であらゆるモノを表現してしまう、そのサプライズが素晴らしいのです。
今回は二つの三段重ねを同時に立てるなんて大技も見せてくれましたし。

でも、物語について敢えてひとつだけ言うとしたら、小ざかしいリアリティだとか小難しいドラマツルギーとかを全部吹っ飛ばす大ハッピーエンドの力ですかね。
すべての登場人物が許され、幸福になるというエンディングからはたっぷりエネルギーをもらいました。

さて、頑張って今週中にGAの原稿に目鼻をつけなければ。

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2007.04.24

ジューゴ!

忙しい中、エアポケット的に羽根を伸ばせる時間ができたので下北沢で思いっきり観劇。いえね、チケットそのものは前から取ってたんですけど。何しろお気に入りの劇団TEAM発砲B・ZINの解散公演です。
ちなみにやや脇ながら最前列。久々に会う感激仲間とわくわくしながら臨みました。

今回はここしばらくの傾向どおり、特定作品やジャンルのパロディ色は控えめながら、ヒーローもの的なエッセンスがみっちり詰まった発砲らしい作品。ラストという事で役者陣の魅力を最大限に引き出すようなストーリーでした。
いい意味でいつまでも青二才っぽさが残る森貞、相変わらず年齢不詳の面白さ前回の武藤、ダンディの空回りが楽しい平野、すっかり「オトナの女」担当が板に付いた福田など、たっぷり堪能しましたよ。
ただ、欲を言うときだの演じたキャラにももうちょっとエピソードの厚みがほしかったかな?

解散は残念ですが、各人のこれからの活躍に期待します。
(あ、『だめあね』の智乃のちっちゃこくて無暗にエネルギエッシュなイメージって、ひょっとして武藤晃子のイメージだったのか? 作者も意識してなかったけど)

帰宅すると、エンターブレインの担当さんから電話。これからファックスでゲラを送るので、明日中にチェックしてほしいとの事。あわただしいけれど、分量的には難しいわけじゃないし、何とかさくっと片づけましょう。
明後日からは今年度の講義も始まるし、また忙しくなりそうです。
(何のゲラかというと『だめあね』3巻じゃないんですね、これが。近々発表できるでしょうけど)

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2007.03.27

雲丈閣

締切はむちゃくちゃタイトなのですけど、六本木まで芝居を観に行ってきました。いや、決してさぼっているわけではなくて、こうやって気分転換と精神的エネルギー充填をしないと作業効率も落ちるもので……。

ひげ太夫は二度目ですが、今回も肉体と肉声を駆使した舞台ならではの醍醐味を楽しめました。「見立て」を多用する表現技法と和風ファンタジーという内容もマッチしています。いや、たっぷり堪能しましたわ。

この日は久々に会う同業者某氏と一緒だったので、観劇後はお互いに近況報告など。すっかり締切の事を心配されてしまいました。
さて、仕事仕事っと。

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2007.01.22

エンジェル・ダスト

今年二本目の観劇は、劇団ファントマ。新宿御苑の駅に降りたら、出口でビラを配ってました。

コンピュータの反乱、仮想空間、ヴァーチャルキャラクター、退廃と統制などSFの古典的な材料を上手く用いて、緊張感とドラマのうねりが心地よい舞台です。
異形の存在感を放つ美津乃あわと、野趣と生命力に満ちた浅野彰一の二枚看板に、今回から入団した藤元英樹の飄々とした演技が加わってぐっと厚みが増しました。
冒頭のナレーションがただの比喩だと思っていたら……だったり、笑いを取るためのネタだと思っていたら実は……とか、ファントマの持ち味がいい形で出た見ごたえのある芝居でしたね。
シリアスなクライマックスが近づいてもまるで独立したコーナーみたいにギャグが入るのは評価が分かれるところでしょうが、今回のように本筋の描写と上手く絡んでるのなら、私としてはOKです。

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2007.01.12

Quick Draw

今年の初観劇に行ってきました。

Toon Bulletsが解散し、新たにユニット制で動き出した浅沼晋太郎の舞台です。
人気西部劇漫画『風のマイラ』最終回執筆のために雪深い山奥の温泉旅館にカンヅメ状態にある、なかなかアイディアが出ずに風呂にばっかり入っている漫画家と、距離感のつかめない暑苦しい編集者。そしてただひとりの従業員である女将--という筋立てで、純和風の旅館と、劇中作である西部劇が交錯するという刺激的なビジュアルがまず印象的でした(舞台装置も温泉旅館&漫画の枠線なのね)。
緊張と弛緩、サスペンスとギャグのメリハリが心地よく、またシアターアプルの広い舞台を活かしたガンアクションも迫力満点。
朴ろ美(ろ=王編に路)は信じられないくらいスレンダーで脚が長く、数々のアニメでおなじみのハスキーな美声もあって強く美しい女ガンマンの存在感十分。私にとってはデカレッドの印象が強い載寧龍二は青臭くも情熱的なビリー・ザ・キッドを好演。隻眼の美少女ふたりを従えた阪田瑞穂のカラミティ・ジェーンはけれん味たっぷり。作中でのポジションが二転三転する武藤晃子は相変わらずの芸達者ぶりを見せてくれました。
漫画家役の猪狩敦子と編集役の押野大地の掛け合いはテンポよく楽しめましたけど、敢えて難を言えば押野の台詞がところどころ聞き取りづらかったかな?

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2006.11.25

新横浜能天気予報

知り合いに誘われて、今日も観劇です。
新宿サンモールスタジオで、大人の麦茶の「新横浜能天気予報」。

脚本がよく練られていたのがよかったですね。登場人物はみんなバカだったりガキだったり小悪党だったりするのですけど、テンションのメリハリが利いた役者陣の演技とも相まって、その欠点も含めて魅力的。
細かいシチュエーションが後で効いてますし、理不尽な事がほとんど起きていないのに意表を突いた展開にハラハラさせられ、最後には全員がハッピーエンドになってよかったと素直に思える一本でした。

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2006.11.23

Red River Valley

ここしばらく日記の更新をサボってましたが、まあ普通にファミ通の原稿書いたり、MFの新企画書練ったり、1月に出る予定の某社のイラストラフをチェックしたり。
仕事ばかりじゃなく、小松崎茂展や『DEATH NOTE』の映画観にいったり、友人とジンギスカンをむさぼり食ってたわけですが。

で、今日は観劇です。新宿シアター・アプルでファントマの『Red River Valley』。
う~ん。好きな劇団なんですけど、今回はちょっと辛い点をつけざるを得ませんね。
題材や状況設定は魅力的なものの、キャラクターだけがあってストーリーがない。個々のエピソードが細切れで、全体の大きな流れとして絡み合ってこないのです。特に、主人公であるはずのブラッドが美味しいトコ取りと過去の因縁だけで、現在の物語の中で上手く活きていないのが物足りなく感じました。
小ネタの笑いの部分は楽しいのですけど、今回は本筋が弱いので、その隙間に小ネタを詰めこんでいる感が拭えませんでした。
1月にまた新作の公演があるので、そちらに期待ですね。

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2006.10.14

ヒマラヤ頭巾団

知人がmixiの日記で勧めていたので行ってきましたザムザ阿佐ヶ谷。
(思えば、この会場は月蝕のウテナ以来か)

パワーマイム系の表現もずいぶん慣れたつもりでしたが、この「ひげ太夫」の公演はインパクトありましたよ。なんというか、生の舞台が見世物である事に自覚的とでもいいましょうか。内容もわざとらしいまでにエキゾチックですし。
演者は全員女性で9人(しかもほとんどはヒゲを描いてる)、それがマイムというよりは組体操と称すべき「高さ」に拘った大胆なパフォーマンスを繰り広げます。峻厳な山々や壮麗な寺院、風景や大道具、風や水や炎を人体だけで表現するのはもちろん、マンガ的な「効果線」まで生身の身体だけで現出させてしまうのです!

第一印象は強引で豪快、力ずくで無理矢理なように見えて、実は緻密で繊細。何しろ9人が淀みなく、途切れなく、流れるように人になり、装置になり、効果になるのです。ほんの一瞬でもどこかで躓けば全体が破綻するであろうものが、スピード感抜群で展開するのですから!

たまたま今は仕事が谷間で時間があるので、連続で芝居を堪能してしまいましたよ。
ようやくプロットが通ったモノがあり、企画が動き出したモノもありで、これからはまた忙しくなりそうですわ。
(でも来月のファントマはチケット取った(笑)

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2006.10.12

マジヨ!

今回は武藤晃子が他の舞台に客演しているため不在ですが、その分、神部みゆき&渋江譲二という「響鬼」つながりの強力ゲストを招いてのTEAM発砲・B・ZINの新作は「魔女っ子」モノでした。

ヒロインは、魔法の国からやってきたけれど使命も果たせず、結婚して普通の人間になる事も引退して魔界に帰ることもないまま20年が過ぎ、今ではとうとう33歳の魔女っ子という凶悪な設定!
発砲らしいストレートなメッセージを、今回はいつもにも増して大胆な表現で見せてくれました。スライドやパネル、ダンスを駆使した独特の効果には引きこまれます。

主演の小林愛には安定感がありますし、脇にまわったきだつよしは森貞文則と名コンビで活き活きとしたアクションを披露。福田千亜紀は美しさのなかに哀愁があり、平野勲人はメリハリの効いた演技に発砲ファンには嬉しいオマケつき。渋江&神戸という美男美女の存在をとことん活用しているのもGood。
個人的な評価としては発砲の中でもかなりのアタリですね。

あ、そうそう。カーテンコールで印象に残ったミネラルウォーターのボトル&うちわを手にしたままの渋江と、走り方がチャーミングだった神戸は特に記しておきましょう。

あ、もちろん帰宅してすぐにHJ文庫の後書きは書き上げてメールしましたよ。

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2006.10.06

SCRAMBLE Egg

HJ文庫のゲラチェックを終え、二週連続で行って参りました、笹塚ファクトリー。
ちなみに来週は発砲の予定があるので三週続けての観劇ですな。
(なお、先日は『スケバン刑事』と『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』のハシゴをしたりとか、結構充電しております)

IQ5000は久しぶりですが、期待にそぐわぬ出来でした。1時間20分と短めですけれど、濃厚な密度とスピード感がありました。
養鶏場という「管理された楽園」が舞台ですから展開はもう最初からミエミエなのです。でも、だからこそ見ているこっちも最後のカタルシスは早めに予見されます。そして単純になり過ぎない適度な表現のツイストを加えながら、クライマックスに向かって感情のエネルギーをぎりぎりと引き絞っていくのが実に快感でした。

安直なディストピアものでも管理社会批判でもなく、養鶏場全体が卵と相似形だったり、安住の地を必要とする「命を生み出す者」と、そこから飛び出していく「物語を生み出す者」の対比が描かれていたりというのもよかったですね。

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2006.09.28

幽幻夢想

カプセル兵団の芝居を観てきました。副題は「臥龍頂上伝2」という事で、以前上演されたものの続編になります。

うーん……今回は正直評価辛いですね。
物語としては軸が多すぎて、しかも前作から継続している主人公・龍が全部の流れに対して「傍観者→助っ人」という流れになっているため、まとまりが弱い。
アクションに関してもクライマックスでの頂上牙狼拳以外はオーソドックスで、この劇団ならではの肉体を駆使した大胆な特殊効果もあまり見られませんでした。
また、具象的な衣装や装置も、身体表現と噛みあってないように感じられました。カプセルの持ち味であるはずの素早いカット割りも逐一暗転と併用したため、かえってテンポを阻害していたのでは?

例によって寄生虫超人サタンクロスが登場したけど、トライアングルドリーマーはかまさずに消えるとか、いつものカプセルを知ってる人にはにやりとさせられる小ネタなんかは楽しかったのですけど、私としてはこの劇団にはもっと「大胆で刺激的な何か」を期待しているので、今回は残念ながら悪い意味で「いつものカプセル」でした。
普通に面白いんですよ。でも、やっぱり「いつもの通り、普通に面白いだけ」じゃちょっと、ね。次回に期待です。

収穫は、ラストでの周晴奈の「同じ記憶と感情を持っているけれど、年齢も人格も異なるヒロイン」のニュアンスが伝わった演技ですかね。

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2006.08.29

ムーヴィン・アウト

いつもはチケットが3~4000円代の芝居ばっかり観ているのですけれど、今年はちょっと個人的に景気がいいので思い切って奮発してしまいましたよ、ブロードウェイミュージカルS席って奴を!
まあ、ダンスは完全に門外漢なんですがビリー・ジョエルの曲が好きなんです。
「イタリアン・レストランで」なんか聞くたびに心のどこかのスイッチが入って涙腺緩んじゃうくらいに(で、この曲が今回オーバーチュアの後の一曲目であり、フィナーレナンバーでもあるのですな)

前日からビリー・ジョエルのCDを聞き返し、「ビリー・ジョエル詩集」で歌詞の内容を理解して予習。日本語字幕がつくとはいえ、文字に気を取られてダンスが堪能できないんじゃ勿体なさ過ぎますから。

感想ですが、もう最後は手がひりひりと痛むくらいに拍手しました。
ビリー・ジョエルのナンバーのみで、セリフはほぼゼロ。後はダンスだけによる表現。つまり「ことば」部分は全部元々の歌詞に準拠してるのですけど、ストーリーはスムーズに繋がっています。
「え? あの曲のこいつとこの歌の彼女が同一人物……わ、ちゃんとキャラが繋がって膨らんでるよ!」「この歌のこの歌詞が、こういう意味になっちゃうのか!」など、予習の甲斐がありました。

前述の通り、ダンスについては語る言葉を用意できない身ですが「素顔のままで」の、スローなナンバーと端正ながら早い動きが綺麗に調和してジェイムズとジュディの素直ながらまっすぐな恋を表現していたのと、対照的に「ビッグショット」でのブレンダとトニーの激しく求め合いながらすれ違う愛情は印象深かったですね。

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2006.07.13

壬生大激戦(みぶ・だいはーど)

久々の観劇、久々の劇団S.W.A.T!です。ここしばらく、都合が合わなかったり見てない作品の続編だったりして縁がなかったのですよね。
しかも、今日は講師の仕事で『ダイ・ハード』の話をさんざん転がした帰りでもあったわけですし。

で、率直な感想としては……ちょっと肌に合いませんでしたかね。
新撰組ネタでありながら近藤・土方・沖田を登場させないという切り口は面白そうですし、役者陣も好演してました。高橋将や滝佳保子はかっこよく、中山沙織には愛嬌があり、清水&瀧下の主役コンビのとぼけた味もよかったのですよ。
ただ、脚本がイマイチというか、新撰組の腰抜け平隊士という主人公像と『ダイ・ハード』ものという状況設定がかみ合ってない印象でした。

『幕末ジャイアンツ!』とか『3156』とかは大好きだったんですけど、ちょっと私の趣味とはズレちゃったのかも知れませんね。

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2006.03.29

テングメン

というワケで、舞台エネルギーをたっぷり吸収してきました。久しぶりのTEAM発砲B★ZIN、久しぶりの下北沢です。

今回は時代劇ですが、いつものヒーロー物のテイストも残っています。
従来の発砲が石森章太郎路線だとすれば今回は永井豪。今までが「大人のテレビマガジン」だとすれば、今回は「大人のコミックボンボン」。要するにバカでエロです(褒め言葉)。
タイトルやチラシから想像してましたけど、本当に股間に天狗のお面なんですもん。

物語のテーマは『ゴメンバー』とも共通してますが、恋愛と性を絡めた事で、一般論ではなくぐっと個人に踏み込んだドラマになっています。
役者陣は安定した配置で、冒頭からヨゴレでキュートなところを見せてくれる武藤晃子、ヒロインとしての貫禄充分の小林愛、勢い全快の工藤順矢など、安心して堪能できました。
きだつよしが脇に回って森貞文則が主人公というパターンは『ゴメンバー・デ・ショウ』などでも見られたシフトですが、森貞がいい意味での青臭さを纏ったまま上手くなったのは発砲にとって大きなプラスだと感じました。役者としてのきだが成熟してしまったので、若い主人公はちょっと辛かったりするのですよ。

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2006.02.14

デビルマン~不動を待ちながら~

 今年の初観劇はアイピット目白で。
 去年のバレンタインも芝居観にいってましたが、別に俺ルールとかがあるわけじゃなく、単に油断してたら追加公演の平日マチネーしか切符が取れなかったのですよ。
(それにも関わらず満席!)

 なお、私は『デビルマン』は子供の頃から何度も読み、映画版もちゃんと劇場で鑑賞し、ついでに『悪魔人間十番勝負』シリーズも堪能している身ですが、ベケットの『ゴドーを待ちながら』の方はタイトルと概要くらいしか知らなかったりします。
 原典の状況設定を上手く活かした、非常に緊張感に溢れたいい舞台でした。やはり「命のかかった特別なシチュエーションにたくさんの人間を放りこみ、リアクションの差でドラマを作る」という手法は強い!
 役者陣では、美樹役の平田裕香の凛とした美しさも目を引きましたが、極限状態で、しかもリアルな「死」を実感しながら人間として、また職業人としての倫理を守ろうとするユカリ役の中西ひふみが印象的でした。

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2005.12.15

BIRDS

 原稿がじわじわとしか進まないのですけど、芝居を観てきました(そういや、今年はあまり舞台に行ってないなぁ……反省せねば)。
 いやね、確かに忙しいのですけど、チラシによるとヒーローもので作&演出は「Zipper!」をやったTOON BULLETSの浅沼晋太郎。出演者は発砲B☆ZINの武藤晃子に、デカレンジャーのジャスミンこと木下あゆ美に、稲田徹、小山剛志という面々とくれば行かない手はないじゃないですか!

 タイトルが「BIRDS」で、主人公たちは警察の秘密強行班に属する5人のエキスパート。そのコードネームはオオワシ、コンドル、シラトリ、ツバクロ、ミミズク。司令官は南部とくれば、言わずとしれた『ガッチャマン』ですが、内容的にはそれほど意識していないようです。

 アクションは殺陣はダイナミックで、側転やジャンプキックなどの派手な動きは見ごたえがありました。ただ、舞台の広さに対して多めの人数での戦いが多かったせいか、蹴り足がきれいに伸びてないところなどが散見されたのが残念でしたね。
 物語も、最初はユーモアを交えながら、だんだんクライマックスに向けてシリアスになっていく構成は見事。装置も簡単な構造なのに照明とのあわせ技で、複雑な映画的カット割を舞台上で表現しています。主人公であるオオワシの序盤の印象が弱いのがやや惜しまれますかね。
 発砲では劇団の作風もあってコメディエンヌとしての印象が強い武藤晃子が今回は正統派の悲劇のヒロインを表現しきり、木下演じる捕らえどころのないシラトリもチャーミング。稲田の迫力は、K列の私までびんびんに伝わってきました。 主人公オオワシの佐藤仁志と、悪役DEFの原智宏もいい芝居見せてくれましたし、今年最後の観劇としては充分満足できましたわ。

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2005.10.28

サイボーグ侍

 某社用の企画書を週明けに提出しなければならないのに、新宿に芝居を観に行ってきました。
(シアター・サンモールへの目印にしていたファーストフード店が閉店していて、危うく道に迷うところでしたわ)

 タイトルは、劇団ファントマの「サイボーグ侍」。
 時は戦国、武田信玄に仕える加藤段蔵は戦で重傷を負い、千年早く生まれたと言う万能の天才・山本勘介によって改造手術を受け、無敵の「砕武具」として蘇った。圧倒的戦闘力で敵軍をなぎ倒す段蔵だが、やがて罪無き民草を苦しめる戦に疑問を覚え、武田家を離れる事になる……。

 大胆なアクションと骨太な物語、そして隙あらば織りこまれるコテコテのギャグという、実にファントマらしい芝居。
 民衆を守る、主君の望みを叶える、戦いに勝つ、出世する……さまざまに異なる「武士道」を胸の中心に抱いた各キャラの対比が効いたいい物語でした。ファントマの看板である「オトコマエな女優」美津乃あわの魅力は言うまでもなく、浅野彰一、盛井雅司の存在感が光りました。
 難点を挙げれば、全体に早口でセリフが聞き取りづらい場面が多かった事と、中盤以降各キャラがそれぞれ固有のドラマを背負ったまま絡み合わず、エピソードが細切れっぽくなってしまった点でしょうか。

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2005.10.12

カプセルまんがまつり

 エンターブレインでの打ち合わせの帰り、池袋のシアターグリーンでカプセル兵団の「炎の戦士 バーニンガイ」と「魔法プリンセス プリティーモモ」の二本立てを観てきました。
 二本立てと言っても、30分2本というコンパクトな舞台。タイトルから想像できる通りヒーローものと魔女っ子もののスタイルを利用を活用したからのスピーディなお芝居でした。カプセル兵団のアクの強い表現技法には、案外こういう形式が似合っているのかも知れません。

「バーニンガイ」は悪の組織に改造され脱走したヒーローが、己と同じ能力を持つ刺客と戦うというエピソード。吉久直志のバーニンガイと福蔦徹のブラックバーニンガイの殺陣は実に見ごたえがありました。悪役の屁理屈に反論できないバーニンガイは島本和彦チックで楽しかったんですけど、ただ、元ネタまんまなところが散見されたのがちょっとだけ興ざめでしたね(ネーミングでもマリバロンとかゲドリアンとかアマダムとか)。
あ、今回もやっぱりありました。トライアングルドリーマー。しかも、今回は技の掛け手が女性ですよ!

「プリティーモモ」の方は想像よりもパロディ色が薄く、しっかりした「泣かせ」のエピソードの魔法少女ものの一編でした。まあ、こっちもムエタイだとかいろいろ笑える小ネタはあるんですけど。
特筆すべきは、魔法少女というギミックとパワーマイム表現の相性が抜群によかった事ですね。

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2005.07.01

鬼泪

 久しぶりの観劇、カプセル兵団の「鬼泪」です。

 今回の題材は和風伝奇ファンタジー。帝の姫にかけられた謎の呪い、人の仲間になりたいと願う鬼、出世を夢見る陰陽師に、古き力を伝える言霊使いに神おろしの巫女と、実にワクワクさせる題材で、例によってパワフルに魅せてくれました。
 衣装は具象的で持ち道具や面も使用、パワーマイム的表現はやや控えめで、今までのカプセルに比べると表現はストレートかつオーソドックスですが、小ネタ満載でユーモアある前半と、素早い「カメラワーク」(そう、カプセルは舞台演劇でありながら、カット割りが持ち味なのです!)と激しい殺陣は見所充分でした。後半に余計なギャグが入らないのも好印象。
 さまざまな超常能力を駆使した霊力バトルや、異形の鬼や物の怪が死力を尽くす姿、スケールの大きな映像(イメージ)を役者の肉体できっちり表現しているのはさすがです。
 ただ、これも毎度のことながらセリフを噛むのがちょっと耳に障る事があるのですよねぇ。この部分のクオリティが上がればもっと素晴らしいのですけれど。

 あ、そうそう。カプセルで鬼ネタという事で多分やるだろうと予想していた「響鬼」ネタはやっぱり満載でした。それとおなじみ寄生虫殺法・魔技トライアングルドリーマーも。

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2005.03.25

HELL FIGHTER

 仕事の合間を見て観劇へ。
 InnocentSphereという初めての劇団ですが、カプセル兵団を退団してフリーになった田中精氏が客演するという事で興味を持って渋谷まで。
 ただ、実際に観た感想としては正直高い評価はできませんでした。青山円形劇場の独特な構造を持て余し気味で、観客の視界を考えていない舞台構成が目立ちました。端の方の席だと、スライドで投影した画面がほとんど真横からになってよく見えなかったでしょうし、下手をしたら真横に首を向けなければ見えないようなシーンもあったはず。
 ストーリー面でも主人公の動機やメインモチーフになる本のないように説得力が乏しく、登場人物間の人間関係が通り一遍の安直なものに見えるため、キャラの感情が伴わない観念を単なる手続きだけで辿っているようで……。最終的な決着の付け方も私には納得できないものでしたしね。
 表現の面でも、登場人物の「獣化」をメイクピースの装着で表現するのは安易。客席からは見えづらく、獣と化している状態とそうでない状態の区別が難しい上に、はっきり見えたら見えたで陳腐に感じられてしまいました。
 ちょっとストーリーや表現でひっかかるところが多くて、役者の魅力を味わう余裕がありませんでした、残念ながら。

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2005.01.09

ツカエナイト

 今年最初の観劇としてTEAM発砲B・ZINの「ツカエナイト」を観に、友人を誘って下北沢まで。
 休日、しかも三連休の中日のせいか大入りで、補助席まで満員でした。事前に電話予約していたため、通常の指定席だったのですけれど、これが最後列。補助席でも前の方とどちらがよかったのかはちょっと微妙なところですかね。
 今回は、いつもはいじられキャラ・お笑い担当の武藤晃子が主演(しかもラブストーリーのヒロイン!)、きだつよしが声の出演だけと、いつもとは趣の異なるキャスティングがいい効果を上げてました。特に「陽気でフランクに見えるけれど、実は純情で初心なヒロイン」としての武藤はハマリ役で、「ビデオ・デ・ゴメンバー」で発砲を知って以来、彼女を贔屓にしてた身としては実に見ていて楽しかったです。西ノ園や平野といったレギュラー陣もしっかり脇を固めてますし、いつものヒロインから脇に回った小林や、毎回違った役どころで見せてくれる福田などの女優も魅力的。それに、ゲストの小手伸也が実にいいテンションで笑いもアクションも締めてくれました。
 海外ドラマ風のOPテーマ、シンプルだけれど表現の幅が広い舞台装置、細かなところで笑いを取るタイミングの上手さなど、新年最初の舞台として充分満足。
 ただ、難点を挙げると中盤の追いかけっこがドラマとは関係のない単なる「アクションのためのアクション」になっていて、少なからず冗漫に感じられたことでしょうか(実はこれって、「ゴメンバー・デ・ショウ」や「XXDX」でも感じたんですよね)。
 今年はきだつよしが『仮面ライダー響鬼』のメインライターを務めるせいか、発砲の本公演はもう来年までないそうですけど、その分他のところの客演などでの役者陣の活躍を少し追いかけてみましょうかね。

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2004.12.17

W・ウィングス

 今年最後の観劇(予定)はショーGEKI大魔王の本作品。
 一昨年に観た『ドラゴン』が素晴らしかったので同業者某氏を誘ったのですが、悪くはないものの満足とまではいかない出来で、少々残念でした(舞台演劇は映画よりも料金も高いし、観られる場所も時間も限られるので、人を誘うのは多少決心が要るのですよ)。

 60人ものキャストが舞台狭しと入り乱れる迫力、特に群舞は目を引きます。音響や照明も秀逸。何よりも、本体と左右各翼の三人のキャストで一羽の鳥を表現するというアイディアも秀逸です。翼の動きは印象的でした。
 ただ、物語の面では「カラスとハトのロミオとジュリエット」「ワタリガラスと伝書鳩のドラマ」「一行のラブレター」の三つのファクターが充分に絡み合ってなくて、散漫な印象や水増し感が残ってしまったのです。キャラクターは魅力的なのに、いささかもったいなかったですね。
 恐らく、単純に見た目どおり言葉どおりの意味ではなく、全体が何らかのメタファーなのでしょう。「生まれた時から片翼」と言われていたカラスが実はそうではない事、「自由」と「選択」を口にする渡りツバメの「翼」だけがひとりで演じている事、それからもちろん当然連想される「比翼の鳥」などと、冒頭の携帯メールが関わっているのでしょうけど、ちょっとピンと来ませんでした(ひょっとして私の理解力に問題があるのでしょうか?)

 観劇の後は、年末かつ週末の金曜の人ごみに流されつつ、何とか腰を落ち着けて雑談など。『ハウル』の原作を読んで映画未見の相手と、逆に映画だけで原作未読の私の間で感想や情報のやり取り。
 やっぱりあの映画、宮崎監督がイージーに手癖だけで作った失敗作じゃないかという確信が深まってしまいました。

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