2004.12.13

ゴジラ・ファイナルウォーズ

 恒例の同業者の友人と連れ立っての映画の会。
 多分、真面目なゴジラファンからはかなり不評の映画でしょう。何しろこの映画に出てくるゴジラは「核の脅威」でも「科学の原罪の象徴」でも「絶対的な破壊神」でもありません。多分「生物」ですらないでしょう。単なる「着ぐるみで表現されたゴジラというキャラ」でしかないのですから。他の怪獣も着ぐるみ丸出し。ふにゃふにゃしなるアンギラスの前足とか、つるつるで何の造形も施されていないカイザーギドラの足の裏とか。
 しかも、映画としてはマトモなドラマも何にもなし。ストーリーも設定もずたずたで矛盾だらけです。
 でも、私はこの映画を支持します。本作には明確な意図と徹底があります。とにかく怪獣を一杯出して、がっつんがっつん戦わせる、ただそれだけに徹し、それを実現した「見世物としての怪獣映画」としては楽しめるのですよ。
 某氏が「プラナリアみたいな映画」と評しましたが、どこを切っても戦ってるだけ。非常に原始的な「戦いに対する正の走性」で貫かれたバカ映画なのです。100点満点で何点という計り方は、この映画には馴染みません。花丸つけて「よくできました。でももっとがんばりましょう」こそが相応しいはずです。
 欲を言えば、もっともっとバカに徹して欲しかった。「マグロ喰ってる奴」とか「ノロマな亀」なんて小ざかしい皮肉は作品の知性を無駄に「上げ」ちゃってますし。
 アクション面でもゴジラが轟天号をつかんで敵に凶器攻撃するとか、轟天号とガイガンの神経を接続してドリルとノコギリを備えた「ガイゼンボーグ轟」になってゴジラに特攻とか、主人公が生身のまま巨大化してゴジラと戦うとか、いっそ巨大化しないで素手でゴジラに勝っちゃうとか、最低でもそのくらいは期待したんですよ、こっちは。

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Mr.インクレディブル

 で、こちらは非常に緻密に計算されて、しかもその計算が鼻に付かない出来のいい傑作。
 伏線は巧妙に貼られ、スマートに回収される、プロットに無理や無駄のない一級の脚本でした。何しろ、途中からはいつも習慣にしている「要所要所で時計をチェックして、物語の転回点が開始何分ごろにくるかを確かめる」事さえ忘れてしまったのですから。
 ファミリー向けではあるけれど過剰な毒抜きはされず、きちんと怪我もすれば人死にも出ますし。主役一家の特殊能力が、ちゃんと家族内での地位や性格にマッチしてる点や、悪役シンドロームの性格付けなども見事。
 また、ビジュアル面でも実写的なリアルと、人形劇風というかアニメ的なディフォルメをごく自然に使い分けている点も見逃せません。単純にキャラデザインとしてもインクレディブル夫人と娘のバイオレットの身体のラインがちゃんと年齢差を踏まえて描き分けられているのも魅力的、変な言い方ですがちゃんと「経産婦の色っぽい腰つき」なのですよねぇ。

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