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2016.01.17

バカ話「12人全員××シリーズ」(旧記事再掲)


「ギャルゲーとかで『12人全員××』というパターンがあるよな」
「全員幼なじみを始祖として、全員妹とか、全員動物の生まれ変わりとかいうアレだな」
「まあ、あれも萌え産業の袋小路というか。従来ならばキャラのバリエーションをまんべんなく揃えるのが普通だったのが、狭いマーケットでも確実にという事だろう。例えば全員妹というのは、お姉さんキャラが好きな人はあらかじめ捨ててかかっているが、妹萌えのファンをがっちり捕まえればペイできるという発想だな」

「年下に特化して全員妹があるのだから、逆に『12人全員おばあさん』というのはどうだろうか?」
「……それは何か? タイムマシンで過去に戻って若い頃のおばあちゃんと恋愛するのか?」
「いや。おばあさん萌えとしてはそれは邪道。あくまでも最初から最後まで老人で通すのがスジというものだ」
「じゃあリウマチに苦しみながらゲートボールに燃えるボク系スポーツおばあちゃんとか、メガネかけた文学おばあちゃんとか、縦ロール髪で華族の血を引く気位の高いおばあちゃんとかいるのか?」
「当然だ。で、その12人をクリアすると隠しキャラとして寝たきり老人と徘徊老人が攻略できるようになる」
「確かに隠しにふさわしい難度の高さだが、かなり人道的に問題のあるネタじゃないか、それは?」
「うーむ。やはりダメか」

「ここはもっと健康的にいこう。『12人全員女ターザン』だ。主人公の乗った飛行機がジャングルに墜落して、彼ひとりだけが奇跡的に助かり、密林の中で個性豊かな12人の美少女に助けられるのだ。これならばこの手のネタにありがちな『他の男はおらんのか』という問題が回避できる」
「ちょっと待て。『全員女ターザン』という事は、当然病弱でメガネっ娘の女ターザンとか、メカフェチの女ターザンとかもいるのか?」
「当然そうなるな。メインヒロインは幼なじみの女ターザン」
「主人公は墜落したばっかりだろうが!」
「幼い頃隣に住んでいた女の子が、小学校時代に飛行機事故で先に遭難していた事にすれば問題ない。劇的な再会という奴だな」
「女ターザンでありながら、なおかつボーイッシュな元気娘というのもちょっと想像しにくいぞ。それに女ターザンというのは露出度が高いのはいいが、あまりに狭い層にしかウケないのではないだろうか」
「むぅ。確かに」

「『12人全員アシスタント』ではどうだ? 主人公は初連載が決まったマンガ家。ところが、編集部の手違いでアシスタントが12人もいっぺんに送りこまれてしまう。しかも全員美少女」
「お、それはなかなかそれっぽいかも知れん」
「もちろん先生の呼び方がそれぞれ違うのだ。先生ちゃま、センセ、先生くん」
「それはちょっとヤだ」
「それぞれ背景とかメカとか資料調べとか、得意分野が違う。しかし仕事場が狭いのでいちどに働けるのはひとりだけ。そのマンパワーのやりくりをちゃんとシステムに盛りこめればゲームとして成立するはずだ」
「しかし、マンガ家のアシの仕事のバリエーションって12種類もあるのか?」
「食事とか気分転換とか応援とか……無理っぽいなぁ」

「職業系という事なら『12人全員医者』というのもありうるぞ」
「看護婦とかいうのならもうありそうだが」
「いや、あくまでも医者。主人公は12種類の難病に罹っていて入院している。で、各病気のエキスパートである12人の女医さんが治療に当たっているのだ。特定のひとりとだけ仲良くしていると、他の11人が治療してくれなくなり、死亡エンドに急転直下」
「ひでぇ」

「全員動物があるし、植物系としては『鉢植え生首育成』があるのだから、次はやはり『全員無機物』だろう。いっその事『12人全員ガス』とか」
「ガスでどうやってキャラ立てをするんだ!」
「軽い性格の水素ちゃん、他人と関わろうとしない孤独な綾波系のヘリウムちゃん、熱血バカの酸素ちゃん。何とかなる」

「まあ確かにキャラ立ちすると言えば言えるが、同じ無機物でももうちょっとマシなものはないか。例えば『12人全員自動車』とか」
「どういう話だ、そりゃ」
「そう、例えばだな。主人公はカーマニアの祖父から12台の名車を相続するのだ。まだ免許がなくて運転もできないが、彼はその車たちを非常に大切にしていた。しかし、車の魅力を理解しない親類たちは『売り払って分け前をよこせ』とか圧力をかけているわけだ」
「うんうん」
「そんなある日、ガレージに稲妻が落ちて、なんとびっくり12台の車がそれぞれ美少女に変身する。セクシーなフェラーリちゃんとか、高貴で気むずかしいロータスちゃんとか、凛々しい大和撫子のトヨタ2000GTちゃんとか」
「確かにガスよりはキャラ立ってるけど、大きな問題があるぞ」
「ふむ?」
「その企画だと、実在の車を登場させ、そのイメージと女の子の性格を一致させるからこそ面白いはずだ。しかし、こんなネタでポルシェやフェラーリが許可を出してくれると思うか」

「それはそうだ。では、もっと一般化して『12人全員家電製品』だ。ひとり暮らしを始めた主人公が用意していた12種類の家電製品に稲妻が落ちて美少女に変身する」
「また落雷かよ」
「メイド服の掃除機とか、浴衣の扇風機とか。ドテラの赤外線こたつ、かっぽう着の炊飯ジャー、白衣の電動歯ブラシ。そういうコスプレ系のネタも取りこめるぞ、これは」
「婦人警官のガス漏れ警報機とか、衛生兵の蚊取りマットとか?」
「家電製品としてはかなりギリギリなものを出してきやがったな」
「ガス漏れ警報機ちゃんは『他のみんなはご主人様のモノなのに、わたしだけガス会社のリース』とか、そういう秘かなコンプレックスを持ってるのだよ。で、警報機エンドだと引っ越しで離ればなれになったかと思った彼女と主人公が新しい住まいで再会するという美しいパターンが使えるではないか」

「しかし動物だの器物だの、ここまで来ると『仮面ライダー』や『戦隊』シリーズの怪人のネタみたいだな」
「すると次は『美少女悪人軍団』か? いや、さすがにそれはカドが立つので『12人全員世界の偉人』で行こう」
「何だよ、それは?」
「本物の偉人の生まれ変わりとかにすると車の時と同じ問題が起きるかもしれないので、こういう設定にしよう。主人公が子供の頃愛読していた12冊セットの偉人伝があって、それに突然稲妻が落ちてだなぁ」
「本が美少女になると? お前、稲妻さえ落ちれば何でも通ると思ってないか?」
「虫も殺せない平和主義者のガンジーちゃん、人体実験マニアのジェンナーちゃん、病弱な文学少女のアンデルセンちゃん。ちゃんとキャラ立てできるではないか。元ネタの時代や民族に合わせたデザインにすればビジュアル的にもいける」
「正直者で斧を武器にするワシントンちゃんとか?」
「そうそう……って、武器って何だよ」
「しかし、最大の問題はたとえいくら美少女に擬装しても本性は教科書とかで見知ったおっさんという点だな。キメのシーンになるとスタンドのように背後にガンジーの姿が現れたとして、それに萌えられる強者は少ないぞ」
「うーむ」

(本項は2002年9月に旧サイトにアップした記事をそのまま再掲したものです)

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