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2015.09.18

長くやってて思った事

 告知が遅くなってしまいましたが、HJ文庫の『ブレスレス・ハンター』『俺は天剣を掲げ/僕は飛竜と征く』、電子書籍化され配信されています。
 印刷ベースだと増刷してもペイの見込みがなく消えていくだけだった旧作にも、再び新しい読者の方々の元に届く機会が与えられるというのは、時代の恩恵ですね。売れないっ子作家でも長くやっていれば過去作はそれなりの数になりますし。
(まあ「学園ラブコメ」「現代モノ」は10年も経っちゃうと一種の「時代劇」になってしまうという問題もあったりしますが)

 前回のエントリで書いた事とも関わりますが、ネットで散見する「ラノベ語り」としてアニメ化された作品だけを俎上に乗せたり、あるいは限られた一部の傑作や異色作の話題が好きな人がいます。そういう観点に立つと、20年のキャリアがあったところで、多分葛西伸哉など視界に入っていないでしょう。
 ただ、私みたいなギリギリ低空飛行は別にしても、普通にシリーズが10巻ほど続いていてもアニメ化されていない「人気作品」なんていろいろある訳で、そういうものにほとんど言及しない「ラノベ語り」っていうのは、結局のところ「ラノベそのもの」をちゃんと見ていないんじゃないかなぁと思う事もあります。
(私見ですが、小説というのは少数のマンパワーと初期投資で動かせるフットワークの軽い媒体であるのもメリットなので、テレビアニメのようなハイコストと長い準備期間を必要とする産業とは、必ずしも相性がいい訳ではありません。「アニメになる」のは大きな成果ではあっても、基準や目標にしたらマズいんじゃないでしょうか。私がこれ言っても負け惜しみに聞こえるでしょうけど)

 でもまあ、この十数年のラノベ業界(そして日本という国)が、私のようなしぶといだけの売れないっ子作家でも「ほぼ専業」で生きていける環境だったというのは、ラノベ業界への偏見や誤解に対するカウンターの一例として一応記しておいた方がいいかも知れないと思って、このテキストを書いた次第です。
 もちろん人の縁や状況に恵まれたというのもありますし、健康体のひとり暮らしで生活の基礎コストが少なくて済んだという事もあります。完全に専業でない「ほぼ」の部分の恩恵だって少なくない訳ですから、作家としての実力を殊更に誇る気は毛頭ありませんけどね。

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