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2008.02.10

きだ版ライダー絵巻 激突!電王VS信長(1)

※ここからの一連のエントリーは読む方の便宜を考え、逆順にしてあります。(1)~(5)のナンバー通りに読んでください。

さて、お目当てのイベント。
もちろんメインのお客さんは親子連れですが、大きなビデオカメラを構えている人あり、各バージョンの良太郎コスプレをした女性ファンの一団あり。

他のヒーローショーなどを見ていないので比較はできないのですが、映像の使い方など、しっかり「きだ芝居」でした。しかも、映画村という条件を活かし、主役の電王を立てながら客演ライダーへのリスペクトに溢れた素晴らしい脚本!
以下、内容の紹介を(セリフなど細部は不正確です。記憶頼りなもので)。

まずは冒頭。司会のおねーさんの定番「じゃあみんなで大きな声で電王を呼ぼうね!」
そしてスクリーンに映し出される大きな赤い目。しかし、現れたのはショーオリジナルのイマジン(顔はちょっとソードフォーム似)。

おねーさんに「望みを言え」と迫るも、彼女が口にしたのは「温泉に行きたい」とか「チョコが欲しい」(回によって違ってました)というもの。
望みのささやかさにイマジンは不満。
「歴史を変え、世界を変えるほどの大きな望み! それを叶えてやった時に俺は全てを支配する絶対の王となるのだ!」
「王はオレだぁーっ!」
ソードフォーム登場!
何ですか、そのクラウザーさんな現れ方は! この「元気でバカなお行儀の悪さ」がモモですよ!
「オレを無視して王とかほざいてんじゃねえ!」
デンガッシャーを組み立て(この見せ方がまた上手い)イマジンとのバトルが始まるも、相手は強敵。苦戦する電王。
『あらら。先輩、勢いだけじゃ駄目だってば。ここは知性派の僕に任せてみない?』
『ねーねー、ボクにやらせてよー。いいでしょ? 答は訊いてないけど』
ウラタロスとリュウタロスはセリフ&照明効果だけで表現。
「だーっ! 亀公もハナタレ小僧も引っ込んでろ! 今はオレが戦ってんだよ!」
己を無視して内輪もめを始める電王の態度を逃げ腰と採ったイマジンの「泣き言はやめろ」という一言にあいつが反応。
『泣き言……泣き……泣けるでぇ!』
早変わりで、ソードフォームからアックスフォームへ。そしてワイヤーを駆使して高々と跳躍し「ダイナミックチョップ」!
もちろんちゃんと先に言います。
しかしイマジンは素手で斧を受け止め、逆に電王を弾き飛ばす。さっきのワイヤーをもう一度利用した派手な吹っ飛びです。
再びソードフォームに戻るものの、イマジンは既に電王を相手にする気は失せています。
『時の扉』を開き、自らに見合う大きな野望の持ち主を探しに行こうとするイマジンに飛びつく電王。
「止せ! 俺以外がこの時の扉をくぐるとどうなるかわからんぞ!」
良太郎(声だけ)も『駄目だよ、モモタロス。僕たちが無理したら大変な事になっちゃうよ!』と訴えるも、もちろん電王(=モモタロス)は聞く耳持たず。
考えてみると、ひとりで掛け合いができる上に三の線も務まる電王というのはショー向きのライダーかも。

ふたりはもみ合ったまま『時の扉』の中へ……。
『時の列車デンライナー……』
ここでいつものナレーション&主題歌がかかり、スクリーンにはお馴染みのOPが。
うん、こういう「テレビと同じ」気分を高めてくれる演出は良し。
そして『きだ版ライダー絵巻 仮面ライダー電王 激突!電王VS信長』というタイトル!
今度は「いつもと違う」気分の方を盛り上げてくれます。
(続く)

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きだ版ライダー絵巻 激突!電王VS信長(2)

ひとり倒れていた電王が目を覚ますと、さっきまでとは違う風景(もちろん演技とセリフ、効果音などだけで表現。セットを転換したわけじゃありません)。
しかも良太郎がウラタロスたちの意識を感じ取れない。『時の扉』で別の時代に飛ばされた事でデンライナーと連絡がつかなくなってしまったのです!
要するにこれで、以後フォームチェンジをしない理由付けをしてるわけですね。

戸惑う電王の前に、謎の忍者が四人登場!
「やっと見つけたぞ、信長! 我が殿の命により、貴様を捕らえる!」
激しいアクションが繰り広げられるも、しょせんただの忍者じゃ電王の敵じゃありません(考えてみりゃ劇場版ではハナにやられてたな、忍者)。
「さっきから信長信長って! 言っとくが俺はクライマックスだぜ!」
あっさり忍者を取り押さえる電王の前に、彼らの主である明智光秀が現れます。
彼は自らが仕える織田信長が『赤い目の鬼』と話していたのを目撃、以来主君の様子がおかしいのを気にかけていたのです。
詫びる光秀にも「おいおい。いきなり襲い掛かってきて、ごめんなさいだけで済ませる気か?」と不満の電王だが、忍者が人間椅子になったり肩をもんだりすると「へへっ、わかってるじゃねえか」とすっかりご満悦。
こういうところも美味しいですな、モモは。

『ねえ、モモタロス。赤い目の鬼って……』
「ああ、間違いねぇ。あのイマジンだ」
「のう、くらいまっくすとやら?」
「クライマックスじゃねえ! オレは電王だ」
「しかし先ほどお主、『オレはくらいまっくすだ』と申していたではないか?」
先刻のアクションを真似ながら尋ねる光秀。
「クライマックスってのは、盛り上がるところ。オレ様の見せ場って事だ!」
「なるほど。さて、聞けばあの鬼とはお主らも因縁浅からぬ様子。我らに手を貸してくれぬか?」
「仕方ねぇ。デンライナーとはぐれちまった以上、元の時代に帰るにはあの野郎をふんづかまえるしかないからな」

「元の時代に帰る事ができるのか?」
ふたりの会話に乱入したのは、黒いマントとフードで姿を隠したふたり組。
その目は爛々と赤く輝き……。
かのイマジンかと思って襲い掛かる電王と光秀だが、ふたりは攻撃を受け流しつつ「待て、俺たちは敵ではない」とマントを脱ぎ放つ。
露になったその姿こそ、仮面ライダー1号と2号!
もちろん名乗りはそれぞれの変身ポーズ。BGMは『ライダーアクション』!
(このダブルライダーの声がよかったですね。特に1号はかなり若い頃の藤岡弘に似た印象で。演じていたのは誰なんでしょうか?)

「仮面ライダーだぁ?」
『モモタロス、ボク、聞いた事があるよ。仮面ライダーは正義を守る伝説の戦士なんだ』

(つづく)

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きだ版ライダー絵巻 激突!電王VS信長(3)

聞けばダブルライダーは自分たちの時代で戦っていたところ、突然歪んだ空に吸いこまれて戦国時代へ飛ばされてきたのだとか。
「全ての原因はそのイマジンとかいう怪物らしい」と共闘を申し出るダブルライダーに、光秀は「それは心強い」と喜びます。
一方「力を合わせて戦おう」と1号が差し出した右手に、そっぽを向く電王。
「あいつはオレの獲物だぜ。何でオレがおまえらに力貸さなきゃいけねえんだ?」
このあたりの品行方正でおとなの人徳を持つ昭和ライダーと、わがままで意地っ張りな電王=モモの対比がいいですねぇ。
『駄目だよ、モモタロス。この人たちがこの時代に来ちゃったのは、ボクたちのせいかも知れないんだよ?』
イマジンが開けた扉に自分達が強引に割りこんだのが時空混乱の原因ではないかと推測した良太郎の説得にも、モモタロスはなかなか納得しません。

そこへ信長が放ったドクロ忍軍が襲来!
ちなみに忍軍、ドクロの面と毛皮の袖なし、さらにマリオネットめいた非人間的な仕草で印象を違えていますがキャストは先刻の光秀の部下と同じ。些細な工夫で出演者を増やさずに登場人物を増やしているわけですな。
『ほら、モモタロスもいつまでも変な意地張ってないで』と、良太郎の更なる説得を受けてモモタロスもようやく決心。
「仕方ねぇな。光秀、行くぜ! 敵は本能寺にありだぁっ!」
「それ、わしの台詞!」

信長討伐に向かったふたりへの追撃を阻むため、ダブルライダーはドクロ忍軍と戦い続けます。
ここでの殺陣は1号は軽快なジャンプでキックを多用、2号はパワフルなパンチと投げ技主体と、限定以上にわかりやすくイメージを膨らませた形で「技の1号、力の2号」をアピール。
決め技も「ライダー反転キック」と「ライダー返し」ですよ!
しかし、倒しても倒してもドクロ忍軍は立ち上がってきます。
「こいつらは人間じゃない! 悪霊のエネルギーで動く骸骨人形なんだ!」
「ならば悪霊のエネルギーを断ち切るしかない!」
敵から奪った刀で華麗な太刀さばきを見せるダブルライダー。
このチャンバラは映画村ならではの見せ場でしょう。
そして、仮面ライダーが敵から奪った武器で切り結ぶのは完全に正しいのです!
(それにしても「悪霊のエネルギーという事は、1号と2号はバダンと戦っている最中だったのでしょうか? イマジンの能力と時空魔方陣が干渉したとか?)
ドクロ忍軍を下したダブルライダーもふたりを追って本能寺へ。

(つづく)

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きだ版ライダー絵巻 激突!電王VS信長(4)

さて、先行した光秀と電王が到着するも、本能寺には誰の姿もありません。
「ちょっくら奥を見てくらあ」と電王が姿を消すと、入れ替わるように信長が登場。
「殿、魔物と手をお切り下さい! そのようなやり方で天下を統一したとして、万民を幸せにする事など叶いませぬ!」
「手を切らぬ、と言えばどうする?」
「その時は……殿と言えども討たねばなりません!」
「言うたな、光秀! 討てるのならば討ってみよ!」
信長の槍裁きは迫力満点。光秀も果敢に切りかかるも圧倒されます。
そこへ電王乱入! しかし信長はデンガッシャーを素手で、しかも片手で刃を掴んで受け止める!
生身の人間がこれをやるというインパクトが信長の強さを強調します。
「てめぇ! イマジンとどんな契約をしやがった?」
「……契約ならば既に完了している」
声がダブり、信長が苦しみながらイマジンへ変化(ぶっちゃけ、舞台上では交代ですけどね)。
「この男は天下統一の力を得るために魔の力と一体になる事を望んだ。信長の体と命、野望を食い尽くした俺は既にイマジンではない。我こそは、第六天魔王!」
パワーアップしたイマジン、否、第六天魔王の力には電王も叶いません。
再び『時の扉』を開く第六天魔王。
「またどっかに逃げる気かよ!」
「違うな。これは貴様を放りこむためだ。永遠に時の裂け目でさまようがいい!」
『時の扉』に吸いこまれ、消える電王。ダブルライダーが駆けつけるも間一髪間に合いません。
巨大化したイマジンの触手に絡めとられ、絶対絶命の1号2号!
「馬鹿な! 巨大化する能力まであるのか?」
このあたりも『ライダー』では珍しく敵の巨大化が基本設定として盛りこまれている『電王』と、巨大な敵とは原則戦わない昭和ライダーを踏まえていて、ファンのツボをついてくれます。

ちなみに巨大なイマジンはスクリーンに投影された昆虫めいた造形物のアップと、造形物の触手で表現されています。ダブルライダーはワイヤーで宙吊り。
「電王がいなければ駄目なのか……」と弱音を吐きかける2号ライダー。
「電王が……電王がいれば……。皆の力を貸してくれ! 一緒に電王を呼ぶのだ!」と会場の子供たちに呼びかける光秀。
「無駄だ。奴は時空の裂け目に落ちた。もはや二度と戻ってはこない!」
勝ち誇る第六天魔王。
『電王ーっ!』
子供たちが叫ぶ!
(ちなみに、さすがにあたしゃ黙ってましたが)
「もっと大きな声で!」
『電王ーーーっ!』

「オレならここだぁっ! 改めて、オレ、参上っ!」
スポットライトが指し示したキャットウォーク上に電王ソードフォームの雄姿が!

(つづく)

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きだ版ライダー絵巻 激突!電王VS信長(5)

行方不明になったモモ&良太郎を探しにきたデンライナーが時空の裂け目をさまよっていた電王を見つけ、助け出したのです!
ああ、伏線が生きてる!
良太郎がウラタロスたちとコンタクト取れないという事は、当然向こうでも良太郎たちを気にするわけですから。
デンライナーの出現(スクリーン映像)に第六天魔王ギガンデスがひるんだ隙に、光秀が切りかかる。
痛みで緩んだ触手から脱出するダブルライダー!
「へへっ! その赤い目が貴様の弱点って訳だ! デンライナーが来てくれた以上、もう時空の扉にも用はねぇ。遠慮なくぶっ飛ばせるぜ!」
飛び降りる電王に笑いかける光秀。
「ここからが本当のくらいまっくすじゃ!」
「それ、オレの台詞ーっ!」

些細な事ですが、これ重要な展開です。
2号を弱気にしてまでショーの主役である電王を立てている訳ですけれど、それでもなお「この時代の当事者」「生身の人間」である光秀の行動が逆転のキーをもたらす事で「電王ひとりが全て」「電王以外はおまけ」という形を回避してるのです。
このあたりに、私としてはしっかりきだ芝居のエッセンスを感じました。

再び人間サイズになった第六天魔王に、まずいきなりの「ライダーダブルキック!」
最初のアックスフォームと同じで、宙吊りになるためのワイヤーを利用してのターザンスイングによる交差攻撃。ギミックを無駄なくスムーズに使ってます。
光秀の太刀が、ダブルライダーのコンビネーション攻撃が、そしてソードフォームの剣が第六天魔王を追い詰めていきます。
(私の聴き間違いじゃなければ、2号がアシストして1号が高くジャンプしての飛び蹴りで2号が「本郷!」と呼びかけていたのですよ。ああ、やっぱりわかってるよ、きだつよしっ!)

そしてとどめは「オレの必殺技。映画村スペシャルパート2」!
刃の切っ先だけが飛んでいくイメージを照明で表現した豪快な技で、第六天魔王は倒されました。
『でも、これで良かったのかな……』
モモタロスは知らなくても、良太郎は知っているのです。信長を討った事で光秀は主君殺しの汚名を着て、程なく死ぬという事を。
しかし、その史実を告げられても光秀は胸を張ります。
「歴史に悪名を刻み、命を落としたとしても、変えねばならない事がある。己が時代の民草を魔物の手から救い出せたのだから本望じゃ」
「かーっ! いいねぇ、光秀さん。あんたこそ本当の武将。正義の味方だよ! オレ、感動っ!」
「正義の味方だというのなら、君もだ。電王」
感涙に咽ぶ電王に、1号が呼びかけます。
「そうだ。俺たちとともに戦い、正義を守った君も立派な仮面ライダーだ」
拳を握り締める2号。
「仮面ライダーか……それは、正義を守る者に与えられる称号なのじゃな?」
「へへ……っ。仮面ライダーか。悪かぁねえな」
光秀の言葉に、電王もまんざらでもない様子。
「仮面ライダー1号!」
「同じく、仮面ライダー2号!」
「そしてオレ、仮面ライダー電王っ!」
3人の「仮面ライダー」の決めポーズによる揃い踏み!
デンライナーでダブルライダーを元の時代に送り届けると安請け合いするモモを『駄目だよ、ちゃんとオーナーの乗車許可ももらわないと』と良太郎が嗜める中、幕が下りてステージ終了。

いやぁ、いい芝居でした。
先にも書いたとおり、メインの電王を持ち上げながら、ダブルライダーの魅力、映画村という場を上手く活かしたストーリー。
そして、こういう形を使って電王に1号2号のお墨付きで「仮面ライダー」を名乗らせるというのが心憎いじゃないですか。
「仮面ライダー」の値打ちをライダー側が誇示するといささか鼻持ちならなくなるのですけど、良太郎と光秀に語らせるあたりも絶妙です。

やっぱり乗ってる時のきだ作品というのは肌に合います。
京都まで行った甲斐がありましたよ。

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なのに私は京都へ行くぞ

三週連続観劇。ラストは何と京都行きです。

太秦映画村で上演されている『きだ版ライダー絵巻 激突!電王VS信長』を見るためだけに、日帰りで京都まで行ってきたのですよ。
交通費のことなどを考えて迷ったのですが、きだ氏のブログを読むと「劇団解散後は執筆・演出の仕事からは遠ざかろうと思った」とか書いてましたし(今は心境変わってるみたいですが)、考えてみれば青森にいた頃にはイベントのために上京したりしてたのです。
それに比べたら東京-京都なんて楽なもんじゃあ、とばかりに決心しました。
(実は京都に面白いショットバーがあるという情報も得ていたのですが、ひとりで行ってもつまらんし、そのために一泊というのもコストパフォーマンスが悪いと考え、今回は日帰りに)

かなりの大雪でしたが、青森生まれの身としては寒さや足場の悪さに苦しむほどでなし。結果的には映画村の雪景色という風情のあるものが見られました。

もっとも、葛西としてはやっぱり時代劇よりヒーローもの。
『パティオス』内のスーパーヒーローランドに展示されているマジレンジャー5人揃い(ピンクの扇風機やポストも一緒に!)や、歴代レッドのスーツ(レッドターボのヘルメット固定金具はあんな位置にあったのか!)、黄土色に変色しちゃったシャークランチャーをたっぷり堪能しましたよ、はい。

「きだ版ライダー絵巻」については項を改めて。

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2008.02.02

ふたたびネバーランドへ

三週連続舞台期間。
第二回は「ネバーランド A go go!」です。

昨年、あまりの面白さに立て続けに観てしまった芝居が追加公演という事で、友人を誘ってもう一度行ってきちゃったのです。
普段の感想ではあまりネタバレなどについては配慮しないのですけど、これに関しては詳しい内容には触れません。また機会あって再演される時に観る方の楽しみをスポイルしちゃいけませんから。
(ネタバレについてはあまり神経質になるのは無意味だとは思いますが、それでも「サプライズ」が重要な要素を占める作品というのはありますよね)

今回は一部キャストが交代になっていますが「ゴーゴーファイブ」のゴーブルー・巽流水こと谷口賢志と、「ウルトラマンメビウス」のコノミ隊員こと平田弥里という、私にとっては見覚えのあるふたりが参入。どちらも番組で見知った役柄とは違う演技を見せてくれました。
元々脚本がよく練られていて、シナリオ段階で極めてはっきりとキャラを立てているので、キャストが変更されても変なブレはないのですよね。それでいて、あらたな役者ならではの個性はちゃんと出ているのです。
ただしもうひとり、今回の新メンバーである栗山絵美演じる「バンビ」に関してはすらりとした長身を活かした台詞があったりして、「ドーピー」との関係も変わってるあたりは、ただの再演じゃありません。

何度観てもサプライズがあり、結末を知っている上で最初から観ると各キャラクターの細かい言動にさまざまな意味が読み取れる。
うん、いい芝居でした。

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2008.02.01

ジョッキに生卵

先日、友人数名と一緒に映画をハシゴしてきました。
お題は『魁!男塾』と『ピューと吹く!ジャガー』のピュア二本立て。
で、どっちも表題のシーンがあった次第。
(ピュア=漫画やアニメの、普通に考えたらかなり無理のある実写版の事。『鋼鉄天使くるみPure』に由来するオレ用語)

『ジャガー』の方はギャグマンガの身も蓋もないところを上手く映像に置き換えている印象。
間やカメラワークという映画ならではの表現がちゃんと効いてましたね。
要潤をキャスティングした時点で半分勝ったも同然というところでしょうか?

『男塾』の方も、予算の都合でディテールが甘いところは散見するものの、ほとんどの配役は原作キャラをちゃんとイメージさせるし、脚本の再構築も及第点以上をつけられるでしょう。
作品を象徴するキャラである桃太郎と塾長はどちらも「成長も変化も挫折からの再起もない完成形のキャラクター」なので、秀麿を視点人物としてフィーチャーしたのは正解だと思います。
ウリのアクションも、クライマックスまではそれなりに楽しめました。
ただ、肝心の桃と伊達のバトルで一気に興ざめしちゃったのですよ。
監督=主演がなまじ格闘に拘る人のせいか、いちばんの盛り上がる場面で「殺陣」じゃなくて「ホンモノの格闘」を撮っちゃってるんですわ。
『男塾』の世界で「今時の総合格闘技っぽいフォームで間合いを計るジャブの牽制合戦」とか「相手の骨を瞬時に砕かない、普通の関節技」なんてみたくないのです。それやっちゃった瞬間、スクリーンの中の人物が『剣桃太郎』じゃなくて『坂口拓』になっちゃうのです!
リアルファイトの凄さを堪能したいのなら、普通に格闘技の試合見ますって。
醒めちゃうと、それまで見過ごしていたディテールの粗さまで気になっちゃって、ちょっと辛い点数になりましたね。

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