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2005.04.01

鉄人28号

 さて『鉄人』の方。
 こちらは残念ながら、退屈な映画でした。いろいろ問題はありますが、最大の問題はリアリティの目線が統一されていないというか、映画全体の意図がぼけている事でしょう。
 正太郎と母の演技はいいし、このふたりの日常の描写は悪くないのです。むしろ褒めたい。ところがそれ以外のキャラクターは悪い意味でマンガ的というか、カリカチュアしすぎた薄っぺらい存在。だけど、肝心の主人公・正太郎の性格だけはマンガ的な誇張がなされていないので、巨大ロボットが戦うという爽快感も乏しいという……。
 まあ、爽快感の乏しさはCGの質の低さや動きは鈍いけれど重量感はない殺陣とか、何故かBGMでの盛り上げを拒否しているという不思議な方針のせいでもありますが。鉄人対ブラックオックスの戦いは極めてゲーム的な映像でありながら、群集の負傷や流血だけリアルというのもバランスを欠いています。
 アクションの危機感や盛り上げを殺陣の中に盛りこむ事ができないせいか、鉄人が殴られると感情移入した正太郎が痛みを感じて悶え苦しむという描写が盛りこまれているのですけど、これが明らかに無理ありすぎ。なまじ役者が熱演してるから痛々しくて見てられませんでしたよ、正直。
 あと、ドラマ的には正太郎と父の物語でありながら、根本的な理由が単なる正太郎の勘違いである上に、彼が自発的に鉄人を使おうと思いたった時点では鉄人はたくさんの人間の手で作りかえられ、色も変わっているしコントローラーも完全に別物になってしまい、小道具としては「父と息子の絆」という役割を喪失しているのも大きなマイナス。
 綾部老人やMIT娘などが、よってたかって根拠もないのに正太郎に向かって「君ならできる。オトコノコなら勇気を出せ、戦え、冒険しろ」と押し付けるというのも個人的には不愉快でした。

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